タバコを吸う人にしか分からない感覚かもしれません。
仕事の合間に外に出て一服すると、ほんの数分でも気持ちが切り替わる。 煙が空に流れていくのを見ていると、不思議と頭の中も整理されていく。
そのわずかな余白があるからこそ、気持ちが落ち着き、新しい発想が浮かぶ。 「余白」にはそんな力があるのだと思います。
経営も同じです。
数字、社員、顧客、将来のこと。 あまりにも多くの情報に囲まれると、判断が鈍り、焦りに流されがちになります。
けれど、そこで一度立ち止まり、余白を持つ。
タバコをくゆらせる数分でも、視点が変わり、判断に余裕が生まれるものです。
ただし、勘違いしてはいけないのは――
余白は「立ち止まるため」ではなく「前に進むため」にあるということ。 余白を持たずに走り続ければ、必ずどこかで後悔を抱える瞬間が訪れます。
経営において大事なのは、迷いなく進めるための軸を持ち、 その軸を磨くために“意識して余白を取る”ことです。
私の役割は、その余白の中で経営者の言葉を整理し、未来へとつなげること。
後悔しない選択は、こうした小さな余白から生まれるのだと思います。